なぜだと思いますか?
タイトルにある通りPDIのバレルは業界最高値の価格帯です。
どうしてあそこまで高いんでしょう?
良いものだから、日本製だから、高精度だから、材質がいいから
考えられる理由は大体こんな感じですよね
高くても売れているのは事実で、値段なりの性能があることは皆さんもご存知の通り
良いものが高いのは当たり前
ではどれくらい良いもので、どれくらい高いものなのか
ほんとに高いだけの価値があるのか深掘っていきます
ちなみに筆者はPDIのバレルは製品のレベルを考えると安いと思っています
この記事を読めば安いと思ってしまう理由も納得できるかも
高い理由1
日本製
PDIのバレルはすべて和歌山にある工場でつくられてます。
専門の職人が1本1本丁寧に仕上げまで行います。
海外の量産バレルと比べると高くなるのは当然です
高い理由2
ステンレス製
PDI製品の主力インナーバレルはSUS304という素材でできています
硬く、加工が難しい金属です
金属の硬さには硬度という尺度があって
SUS304は187
ちなみにアルミ合金が100
アルミ合金の中でもジュラルミンと言われるのが155
真鍮が80~150
鉛が4
※硬度(ビッカース硬さ:HV換算)
とからしい
ちなみにダイヤモンドは7000以上
硬い=高価となるのではなく
硬い=加工が難しい=高いとなる
硬い金属を削るには硬い工具が必要になり、工具の消耗も早くなる
一度モノタロウとかでドリルやエンドミルの業務用の値段を見ると高くてビビるよ
というわけで素材の硬さ所以の値段の高さもある
高い理由3
加工精度、公差がすごい
まずインナーバレル製作は数mのパイプを部材屋に注文するところから始まる
材質、外径○○、内径○○、公差○○といった感じ
鉄の棒に穴を開けているのではない
この時内径6.03mm、公差100分の1mmという注文をすれば、その辺で見られるよくあるインナーバレルの素材が出来上がる
よく聞く100分の1mmの高精度インナーバレルである
このパイプ素材を長さに切る、チャンバー形状を掘る、先端処理等を終えバレルとなるわけだが、
ここで注目すべきはパイプを作る会社とパイプをバレルの形にする会社が違うということ
100分の1mmに加工して作りましたではなく
100分の1mmの素材をもとに追加加工して作りましたが正解
つまりPDIはパイプをバレルにする会社である
というか、今日本にあるインナーバレルメーカーには
どこかの工場にパイプを注文し、どこかの工場で形に切ってもらったものを売っているだけのメーカーだってある
ちょっとそれたが、加工精度の話をすると
公差というものは小さければ小さいほどいい
が、公差が小さいほど加工は難しくなるゆえ、値段も上がる
内径6.03mm、公差100分の1mmがパイプ業界でどれだけ高度な加工レベルが必要かは分からないが
言い換えると内径6.020~6.040mmの範囲のパイプを材料にバレルを作っているということになる
ちなみにPDIはこの公差の指定を1000分の2mmでやっている
内径6.028~6.032mmの範囲のパイプをベースにバレルを作るということになる
桁が一つ変わるレベルの製品においてどちらが良くて、どちらが高価になるかは言うまでもない
というか、バレルの値段はざっくり見ると
パイプの値段+加工費用(工具の消耗、設備、人件費)+利益+パッケージ、送料等=バレルの販売価格となるが
パイプの値段が段違いになるのは間違いない
ここまでの素材のレベル差で多少高いくらいの値段で済むのがおかしいのでは?
再びちょっと話がそれるが
紙に10㎝の穴を開けてと言われたら
コンパスで半径5㎝の円を描きハサミで円を切り取ればできる
では10㎝で100分の1(1mm)公差でと言われたら
10㎝±1mmとなるので
円周の長いところで10.1cm、短いところで9.9cmならいい
コンパスを丁寧に使い、線の太さが1mmくらいならきれいに線の上を切ればクリアできる
では10㎝を1000分の2(0.2㎜)と言われたら
長い所と短いところで0.4㎜しかずらせない
まずコンパスの先端を0.4㎜未満の線が描けるようにして、(よくあるボールペンで0.5㎜)
そのうえでその細い線の上を絶対にそれることなく丁寧に一周切り抜くのは至難の業でしょう
もちろん工業製品において加工難易度がどれくらい変わるかなんて分からないが
加工難易度が変わるということと、よりきれいな円になるということはわかる
同じ材質、同じ長さ、同じ内径、同じ形状のバレルでも
素材のレベル、加工精度、製品の信頼度
この辺りが周りの製品より高価な理由で、高いのに値段に納得でき、何なら安いとすら思う理由である
追記
PDIの方にもっと専門的な内容でバレルの性質について書いてる記事があったのでシェアします
ではまた